東京国際映画祭10/29 ビッグビッグワールド

東京国際映画祭

去年に引き続き二度目の参戦。

去年は、2日しか参戦できず、物足りなさが少し残ったため、今回は5日間参戦することに!

 

その報告をしていきたいとおもっております。

ネタバレあります。

諸説あります。個人的な感想です。

 

 
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このポスターのならびを見ると、来たなーって実感するし、これ見るだけでだいぶおれる。

 

 

まず、記念すべき1作目!

コンペティション部門

「ビッグビッグワールド」


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青年アリは、離れて暮らす妹を気にかけるが、里親が会わせてくれない。業を煮やしたアリは妹の奪回を企み、極端な行動に走る…。

 

妹思いのお兄ちゃんが、妹を連れ出して森に逃げ込む話です。

 

とにかく映像がきれいです。

レハエルデム監督の作品は初めて見たのですが、前作も前々作も森を舞台に描いているせいか、森の色彩美、動物の動き、植物の光沢など、神秘的な感じが映像から伝わってきました。

 

最初は兄と妹が森で住むようになってからは兄と妹を寄りで撮るカットが多かった印象ですが、兄が街へ出稼ぎに行く回数がふえ、その一方で妹が森に馴染んでいくようになり妹の行動のシーンではなんとなく引きのシーンや、妹を中心に置かないカットが増え、森に来た「異物感」が徐々にとりはらわれていく印象をうけました。

また、随所に出てくる蛇、水牛、白ヤギも印象的で、監督は後のQ&Aで、特に意味はないといっていたが、視聴者自身が持つ文化的背景や価値観により創造力が掻き立てられ、動物に限らず、色々な場面で、、、

見終わったあとに、深い余韻に浸らざるを得ない、そんな作品でした。

 

監督自身、捉え方はオープンにしていて見ている人に委ねる姿勢はとても興味深かったです。

 

また、あんまりネタバレしたくないので言わないですが、最後のシーンや、妄想のシーンなど、森という大きな世界に飛び込んだのに結局、境遇や立場により徐々に追い込まれていく閉塞感。妹を救おうとして連れ出したのに結局妹を苦しめてしまう兄のジレンマ。兄を好きなあまり、その感情を抑えつつ、森のなかで懸命に生きる妹の尽力。その窮屈な感じが、タイトルのビッグビッグワールドと対比されてて非常によかった。

 

 

また、全体を通して手をつなぐシーンが印象的で、兄と妹の手。妹とおばあちゃんの手。そして、ポスターにも手。

手をつなぐということを意識的にちりばめていたのか、聞けばよかったと後悔。

 

 

非常に余韻という温泉に浸かれる作品で、良かった。

いいスタートを切った。